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2017年12月14日、公正取引委員会は、中小事業者の取引条件の改善を図る観点から、下請法・独占禁止法の一層の運用強化に向けた取組みの一環として、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」(平成15年公正取引委員会事務総長通達第18号)を改正しました。
この改正は違法とされる行為の対象を拡大するものではなく、違反行為事例を現行の66事例から141事例へ大幅に増加させることにより、下請法に対する具体的な理解を広めるためのものです。
●主な内容
本改正では、公正取引委員会による勧告・指導の中で、繰り返し見受けられた行為、事業者が問題ないと認識しやすい行為等が追加されています。追加された違反行為事例の中には、以下のようなものがあります。
1.支払制度に起因する支払遅延
親事業者は、自動車部品の製造を下請事業者に委託しているところ、毎月二五日納品締切、翌々月五日支払の支払制度を採っているため、下請事業者の給付を受領してから六〇日を超えて下請代金を支払っていた。
2.下請代金を据え置くことによる買いたたき
親事業者は、親事業者から下請事業者に対して使用することを指定した原材料の価格や燃料費、電気料金といったエネルギーコスト、労務費等のコストが高騰していることが明らかな状況において、下請事業者から従来の単価のままでは対応できないとして単価の引上げの求めがあったにもかかわらず、下請事業者と十分に協議をすることなく、一方的に、従来どおりに単価を据え置くことにより、通常の対価を大幅に下回る下請代金の額を定めた。
3.下請代金の額から一定額を差し引くことによる減額
コンビニエンスストア本部である親事業者は、消費者に販売する食料品の製造を下請事業者に委託しているところ、店舗において値引きセールを実施することを理由に、下請代金から一定額を差し引いて支払った。
4.不当なやり直し
親事業者は、アニメーションの動画の作成を下請事業者であるアニメーション制作業者に委託しているところ、親事業者が内容確認の上、完成品を受領したにもかかわらず、プロデューサーの意向により動画の品質を引き上げるための作業を行わせ、それに伴い生じた追加の費用を負担しなかった。
下請代金支払遅延等防止法の適用を受ける方は、改正された下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準を一度お読みいただければと思います。そして、下請法遵守に向けた体制整備及び下請取引の条件の再検討をしていただければと思います。内容の詳細につきましては、公正取引委員会のサイトをご参照いただければと思います。
2017年6月16日、公正取引委員会は、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(以下、「本ガイドライン」といいます。)を改正しました。わかりやすさの観点から全体の構成を見直すとともに、最近の流通・取引実態に照らした修正や具体例の追加などが行われています。
●主な内容
1.構成の変更
本ガイドラインの中で似たような行為類型に関する記載が一本化されるとともに、過去に違反や相談事例が存在しない行為類型などの記載が削除されています。
他方、近年事例が多い、いわゆる抱き合わせ販売に関する項目が追加されています。
2.垂直的制限行為に係る適法・違法性判断基準の考え方の明確化
垂直的制限行為とは、事業者が、取引先事業者の販売価格、取扱商品、販売地域、取引先等の制限を行う行為をいい、契約によって制限をする場合のほか、事業者が直接又は間接に要請することなどにより事実上制限する場合も含まれます。
垂直的制限行為は、公正な競争を阻害するおそれがある場合には違法と判断されますが、本ガイドラインでは、以下のように、公正な競争を阻害するおそれの有無の判断に際しての考慮要素が具体化されました。
① ブランド間競争の状況
② ブランド内競争の状況
③ 事業者の市場における地位
④ 取引先事業者の事業活動に及ぼす影響
⑤ 取引先事業者の数及び市場における地位
3.オンライン取引に関する垂直的制限行為についての留意点の説明等の追加
近年の電子取引の拡大をふまえ、いわゆるプラットフォーム事業者に関する留意点の説明等が追加されています。具体的には、以下の記載が新たに明記されました。
①インターネットを利用した取引か実店舗における取引かで基本的な考え方を異にするものではない旨。
②プラットフォーム事業者による垂直的制限行為についても、実店舗の場合と基本的な考え方は同じであり、その適法・違法性判断に当たっての考慮事項として、ネットワーク効果を踏まえた市場における地位等も含まれる旨。
「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」につきましては、あらゆる業種で問題となりうるため、必要に応じて事業内容や契約等の確認をしていただければと思います。詳細につきましては、公正取引委員会のサイトをご参照いただければと思います。
2017年5月26日、「民法の一部を改正する法律」が成立し、同年6月2日に公布されました。また、2017年6月3日、「消費者契約法の一部を改正する法律」が施行されました。
≪民法の一部を改正する法律案≫
①定型約款に関し、定型約款を契約内容とする旨の表示があれば個別の条項に合意したものとみなされますが、信義則に反して相手方の利益を一方的に害する条項は無効とすることを明記するとともに、定型約款を準備した者が取引の相手方の同意を得ることなく定型約款の内容を一方的に変更するための要件等が整備されます。
②消滅時効について、短期消滅時効の特例をいずれも廃止するとともに、消滅時効の期間について、原則として権利行使が可能であることを知った時から五年に統一するなど、時効に関する規定の整備が行われます。
③法定利率について、現行の年五パーセントから年三パーセントに引き下げた上で、市中の金利動向に合わせて変動する制度が導入されます。
≪消費者契約法の一部を改正する法律≫
①消費者の解除権を放棄させる条項の無効(第8条の2)
事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権や、消費者契約が有償契約の場合である場合において、当該消費契約の目的物に隠れた瑕疵があること等により生じた消費者の解除権を放棄させる条項の無効が規定されました。
②第10条に例示を追加
第10条に「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項」との文言が追加されました。消費者契約法10条の「公の秩序に関しない規定」には、「明文の規定のみならず、一般的な法理論等も含まれる」と判示した最高裁判例(平成23年7月15日判決民集65巻5号2269頁)を踏まえて、そのような契約条項の例示として意思表示擬制条項が追加されました。
「民法の一部を改正する法律」及び「消費者契約法の一部を改正する法律」では、消費者に重点を置いた変更がなされています。「民法の一部を改正する法律」については、2020年をめどに施行されますが、「消費者契約法の一部を改正する法律」は既に施行されているため、消費者向けのサービスを取り扱っている方は、規約や契約等の見直しをしていただければと思います。
2016年11月30日、個人情報保護委員会は、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び匿名加工情報編)」を公表しました。通則編及び匿名加工情報編については、平成29年3月31日に改正がなされました。016
改正個人情報保護法が平成29年5月30日に全面施行されますが、それに先立ち、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」が公表されています。
「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」の主な内容としましては、従来、関係省庁が作成していたガイドラインのうち、個人情報保護法に関するものにつき、平成27年改正の施行(平成29年5月30日)をもって、原則として「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に一元化するというものです。
ただし、医療関連・金融関連・情報通信関連分野等については、個人情報の性質及び利用方法並びに従来の規律の特殊性を踏まえて、個人情報保護委員会が作成したガイドラインを基礎としつつ、追加的に、当該分野においてさらに必要となるガイドライン等が定められます。そこで、企業としてはこれらも遵守する必要があります。また、認定個人情報保護団体の対象事業者は、当該団体が作成する個人情報保護指針を遵守することも必要になります。
近年、経済活動のグローバル化の進展や新たなIT技術を用いたサービスの展開により、我が国の個人情報保護法制を取り巻く状況は絶えず変化しています。このような状況の中で、企業には、より一層、個人情報の適正な取扱いが求められます。
皆様には、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」をご確認いただき、皆様が関わる分野につきましては、追加的なガイドライン等もご確認いただければと存じます。また、認定個人情報保護団体の対象となる方は、当該団体が作成する個人情報指針もご確認いただきたいと存じます。
具体的な改正の内容の詳細につきましては、個人情報保護委員会のホームページをご参照いただければと存じます。
2016年12月9日、「割賦販売法の一部を改正する法律」が平成28年法律第99号として公布されました。
近年、クレジットカードを取り扱う販売業者におけるクレジットカード番号等の漏えい事件や不正使用被害が増加しています。また、カード発行を行う会社と販売業者と契約を締結する会社が別会社となる形態が増加し、これに伴ってクレジットカードを取り扱う販売業者の管理が行き届かないケースも出てきています。こうした状況を踏まえ、革新的な金融サービス事業を行う FinTech(フィンテック、Finance×Technology の略。)企業の決済代行業への参入を見据えつつ、安全・安心なクレジットカード利用環境を実現するための必要な措置を講じるものです。また、本措置は、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、インバウンド需要を取り込むことにも資するものです。
(1)クレジットカード情報の適切な管理等
販売業者に対し、クレジットカード番号等の適切な管理及び不正使用の防止(決済端末のIC対応化等)を義務付けます。
(2)販売業者に対する管理強化
クレジットカード番号等の取扱いを認める契約を締結する事業者に登録制度を設け、その契約を締結した販売業者に対する調査及び調査結果に基づいた必要な措置を行うことなどを義務付けます。
(3)FinTech の更なる参入を見据えた環境整備
①十分な体制を有する FinTech 企業も(2)の登録を受け、法的位置付けを獲得することを可能とします。
②カード利用時の販売業者の書面交付義務について、電磁的方法による情報提供も可能とします。
(4)特定商取引法(「特商法」)の改正(2016年6月)に対応するための措置
特商法の改正により、不当な勧誘があった場合の消費者の取消権等が拡充されたことに合わせ、こうした販売契約と並行して締結された分割払い等の契約について、割賦販売法においても同様の措置を講じます。
割賦販売法の一部を改正する法律案は公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。消費者向けのサービスを行っている方は、クレジットカード番号等の取扱いについて注意をして頂ければと思います。法律の内容の詳細につきましては、経済産業省のサイトを御覧頂ければと思います。
2016年10月1日、「消費者の財産的損害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(以下「消費者集団訴訟特例法」といいます)が施行されました。
①消費者集団訟特例法は、消費者契約に関して多数の消費者に生じた財産的損害を集団的に回復するための裁判手続を創設する法律です。特定適格消費者団体(平成28年11月現在全国14団体)が消費者に代わって事業者に対して訴えを提起します。
②二段階型の訴訟制度
③対象となる請求(第3条第1項)
2016年6月3日、経済産業省は、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂を発表しました。
インターネットショッピング等の電子商取引や、ソフトウェアやデジタルコンテンツ等の情報財取引に関する様々な法律問題点について、関係する法律がどのように適用されるのかを明らかにすることは、関係者の予見可能性を高める観点から重要なことといえます。そのため、経済産業省は、平成14年3月から「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を公表し、随時改訂を行っています。この6月、ワーキンググループにおける検討結果を踏まえ、改訂が行われました。
具体的な改定内容の例として、①未成年者による意思表示、②ユーザー間取引、③ソーシャルメディア事業者の違法情報媒介責任、④インターネット上の著作物の利用等が一部改訂されています。また、新規論点の追加として、データ消失時の顧客に対する法的責任の基本的な考え方が示されています。
近年、インターネットを巡る新たな法律問題が噴出しており、電子商取引をされている事業者様は、準則等の改訂や今後の動向に注視が必要となります。具体的な改訂項目の内容の詳細につきましては、経済産業省のサイトをご参照頂ければと思います。
2016年5月27日、公正取引委員会は、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」の一部改正を発表しました。
生産財・資本財の取引と消費財の流通取引における垂直的制限行為に関して、本ガイドラインにおいて示されている「一定の基準や要件を満たす場合に、原則、法令違反に問われることがないとされる範囲」いわゆる「セーフ・ハーバー」基準が改正されています。
改正前では、「市場における有力な事業者」とは、市場シェア10%以上又は上位3位以内であることが一応の目安とされ、市場シェア10%未満、かつ、上位4位以下である事業者が特定の非価格制限行為を行う場合には、通常、市場閉鎖や価格維持のおそれはなく、違法とはならないとされていました。これに対して、「市場シェア10%未満」という範囲は狭すぎではないかなどの批判があったことから、セーフ・ハーバーの市場シェア基準の水準を10%から20%に引き上げ、順位基準を廃止する改正がなされました。したがって、第1位の事業者であっても、市場シェアが20%以下であればセーフ・ハーバーの対象となります。
なお、再販売価格維持行為や流通業者の取引先の制限及び小売業者の販売方法の制限については、セーフ・ハーバーの適用対象とはなっておりませんので、ご留意いただければと思います。
公正取引委員会は、本年2月に「流通・取引慣行と競争政策の在り方に関する研究会」を設置しており、本ガイドラインの更なる改正を進めることが見込まれていますので、今後の動向に注視が必要となります。詳細につきましては、公正取引委員会のサイトをご参照頂ければと思います。
2016年5月25日、「消費者契約法の一部を改正する法律」と「特定商取引に関する法律(特定商取引法)の一部を改正する法律」が成立しました。
悪質事業者への対応として、業務停止命令の期間の伸長(最長1年⇒2年)、また、行政調査に関する権限や刑事罰の強化がされました。
違反事業者の所在が不明な場合に、諸文書を交付する旨を一定期間提示することにより事業者に交付されたものとみなし(公示送達により)処分を可能としました。
業務停止命令を受けた悪質事業者に対し、消費者利益を保護するために必要な措置を指示できることとした行政処分規定が設けられました。
電話勧誘販売における過量販売規制が導入されました(訪問販売ルールの拡張)。
契約締結過程に係る規律
契約条項の内容に係る規律改正法の公布日(2016年6月3日)から改正消費者契約法は1年以内、改正特定商取引法は1年6ヶ月以内に施行されますので、消費者向けのサービスを取り扱っている企業様は、規約や契約等の見直しをしていただければと思います。
近年、企業の秘密情報の流出事件が相次ぐ中、企業にとって秘密情報の保護強化が喫緊の課題であるとして、経済産業省は、平成28年2月に「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて~」を公表しました。
ハンドブックでは、秘密情報を把握・評価し、秘密としたいものを決定する際の考え方、具体的な漏えい防止対策、取引先などの秘密情報の侵害防止策、万が一情報漏えいが起こってしまった場合の対応方法等が紹介されており、また、「情報漏えい対策一覧」、「各種契約書等の参考例」、及び「競業避止義務契約の有効性について」などの参考資料もあります。
<自社の秘密情報の漏えい対策>
〔5つの「対策の目的」〕
①秘密情報に「近寄りにくくする」…アクセス権の限定、施錠管理
②秘密情報の「持出しを困難にする」…私物USB等の利用禁止
③漏えいが「見つかりやすい環境づくり」…レイアウトの工夫、防犯カメラの設置
④「秘密情報と思わなかったという事態を避ける」…マル秘表示、ルール周知
⑤社員の「やる気を高める」…ワークライフバランス、社内コミュニケーション
<他社から訴えられないために>
<情報漏えいが発生した場合の対応>
社内規則等の定めにより、従業者の職務発明について会社に原始帰属させることをお考えの企業様は、特許庁から公表予定の「改正特許法第35条第6項の指針(ガイドライン)」に照らし合わせて、社内規則等を定める必要があります。
詳細につきましては、特許庁のHPをご参照ください。
特許法が改正され、平成28年4月1日から施行されます。今回の改正によって、職務発明制度が見直されることになります。
※職務発明制度とは、従業者等が職務上行った発明(職務発明)について、使用者等が取得した場合の権利やその対価(報酬)の取扱いについて定める制度です。
特許を受ける権利は発明者である従業者に帰属し、使用者が特許出願するには、その権利を譲り受ける形となっています。
発明者である従業者は、特許を受ける権利を使用者に承継させた場合、その対価を請求することができます。
使用者が、職務発明について、使用者に特許を受ける権利を取得させる旨をあらかじめ社内規則等に定めたときは、その特許を受ける権利は、職務発明が発生した時から使用者に帰属します。他方で、あらかじめ社内規則等で職務発明の帰属について定めていない場合には、特許を受ける権利は発明者である従業者に帰属します。
発明者である従業者が、特許を受ける権利を使用者に取得させた場合、従業者は、使用者から相当の金銭その他経済上の利益を受ける権利を有します。
職務発明に係る規則等や従業者が使用者から受ける経済上の利益の内容を決定するための手続に関する指針が特許庁から公表されます。社内規則等の定めにより、従業者の職務発明について会社に原始帰属させることをお考えの企業様は、特許庁から公表予定の「改正特許法第35条第6項の指針(ガイドライン)」に照らし合わせて、社内規則等を定める必要があります。
詳細につきましては、特許庁のHPをご参照ください。
不正競争防止法が改正され、平成28年1月1日から施行されます。
今回の改正によって、営業秘密の保護が強化されることとなりますので、これを機に、企業内における営業秘密の管理方法の見直しや従業員に対する情報漏えいリスクの周知徹底が必要になると思います。また、経済産業省が公表している「営業秘密管理指針(平成27年1月全部改訂)」では、参考裁判例を取り上げながら、営業秘密の管理方法について指針が示されていますので、ご参照いただければと思います。
受付時間:9:30~18:30(土日祝祭日は除く)
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