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近年の情報通信技術の発達や高齢化の進展などの社会経済状況の変化に対応すべく、消費者委員会の消費者契約法専門調査会は、消費者契約法の見直しに向けた審議を行い、平成27年8月11日に「中間取りまとめ」を公表しました。
今回の見直しは、上記の他にも事業者の実務に大きな影響を与える論点が多く取り上げられており、専門調査会には、日本経済団体連合会をはじめとする事業者側からの反対意見が寄せられている状況です。早ければ来年の通常国会に改正法案として提出される見通しとなっておりますので、今後の動向に注意が必要です。
「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)の一部を改正する法律案」が平成27年5月21日に衆議院で可決されました。
ここでは、個人情報保護法の改正案の内容について説明させていただきます。
その他の改正事項として、本人同意を得ない第三者提供(オプトアウト規定)の厳格化や利用目的の制限の緩和、また、取り扱う個人情報が5,000人以下の小規模取扱事業者へも個人情報保護法を適用させることなどが挙げられます。
先般の日本年金機構の情報漏えい事件が発生したことにより、平成27年8月24日現在、参議院による採決が見送られている状況ですが、本改正案が成立した場合には、企業にとっての影響が大きいものとなりますので、今後の動向について注視する必要があります。
詳しくは、内閣官房のサイトをご参照ください。
公正取引委員会は、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(流通・取引慣行ガイドライン)を一部改正し、平成27年3月30日に公表しました。
本改正によって、再販売価格維持行為の「正当な理由」の内容が具体化され、また、「流通調査」や「選択的流通」についての考え方が新しく示されるなどして、ガイドラインの内容がより明確になりました。
今回は、本改正の中で特に重要と思われます垂直的制限行為に係る適法・違法性判断基準について説明させていただきます。
本改正では、垂直的制限行為について、公正な競争を阻害する恐れがあるかどうかについて、様々な状況(例えば、ブランド間競争の状況、メーカーの市場における地位、流通業者の事業活動に及ぼす影響、流通業者の数や市場における地位など)が総合的に考慮され、加えて、垂直的制限行為には競争を促進する効果もある点も考慮して判断されるとしています。
なお、競争促進効果が認められ得る典型例として、いわゆる「フリーライダー問題」が解消される場合、サービスの統一性やサービスの質の標準化が図られる場合などが挙げられています。
問題となりやすい垂直的制限行為について、判断基準を明確にすることによって、制限が課される行為者(メーカーなど)に対して、ビジネスにおいて過度な萎縮効果をもたらすことがないように配慮された内容となっています。
※垂直的制限行為とは
メーカーが自社商品を取り扱う流通業者(卸売業者や小売業者など)の販売価格、取扱い商品、販売地域、取引先等の制限を行う行為のことをいいます。
今回の改正によって、ガイドラインの内容がより明確になっていますので、ガイドラインに関連したビジネスをされている企業様は、改正内容についてご確認いただければと思います。
詳しくは、公正取引委員会のサイトをご参照ください。
日本企業のグローバル化が進展する中、“企業統治の在り方”や“親子会社に関する規律”などの見直しが必要であるとして、「会社法の一部を改正する法律」が成立しました。施行日は、平成27年5月1日になります。
監査等委員会設置会社制度の新設
社外取締役及び社外監査役の要件が見直され、社外要件を満たさない取締役
社外取締役が存在しない上場会社は、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を
会計監査人の選任等に関する議案決定権限を取締役(会)から監査役(会)への変更
募集株式の発行(支配株主の異動を伴うもの、仮装払込みによるもの)への規制
多重代表訴訟制度の新設
特定支配株主による株式売渡請求(キャッシュ・アウト)制度の新設
組織再編における株式買取請求手続の新設
詐害的会社分割によって害される債権者の保護規定の新設
自社及びその子会社から成る企業グループの内部統制システムの整備について、今回の改正による様々な新制度が導入され、役員・機関構成の見直しなどが必要となるケースもありますので、この機会に会社の将来像を見据えてご検討いただけると良いかと存じます。改正法の詳細については、法務省のサイトをご参照ください。
経済産業省は、近年相次いで発生した大量の個人情報の漏えい事件等を受けて、「個人情報保護に関する法律についての経済産業省分野を対象とするガイドライン」を改正し、平成26年12月12日付で告示・施行しました。
個人情報保護法における規定に関し、それぞれ取組の充実・強化を図ることを目的としています。
情報通信技術の発達による環境の変化に伴い、個人情報の取扱いの見直しが検討されており、内閣官房は、個人情報保護法の改正案の原案を取りまとめ、今国会に提出する意向を示しています。これを受けて、個人情報関連の様々な分野におけるガイドラインも見直される可能性がありますので、企業様に関係のある分野のガイドラインの動向について注目いただければと思います。
経済産業省分野の個人情報保護ガイドラインの改正につきましては、以下のサイトをご参照ください。
元交際相手の性的な画像などをネット上に流出させる「リベンジポルノ」の取り締まり強化に向けて罰則を新設する法律「私事性的画像記録の提供被害防止法」が平成26年11月19日に議員立法として可決成立しました。
万が一、会社の従業員が被害者又は加害者となった場合には、会社名を含む個人情報が特定され、広範囲に情報が拡散する可能性が考えられますので、従業員を守るためにも社内教育を通して啓蒙活動を行うことが予防策の一つと考えられます。
経済産業省は、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(以下「本準則」)を平成26年8月8日に改訂しました。
電子商取引及び情報財取引等に関する準則とは、電子商取引及び情報財取引等おける法的問題点について、判例の蓄積等を待つのでは速やかには明確とならない法解釈を市場の要請に応じて明確化するとともに、既存の民法や関係法令の限界を明らかにして新たなルール形成のための指針として、経済産業省が平成14年3月に策定したものです。
本準則は、事業者や消費者を何ら拘束するものではありませんが、裁判上では影響力のある基準となり得ることから、今回の改訂におけるデジタルコンテンツの論点に関係のあるクライアント様は、その内容をご確認いただければと思います。詳細については、以下の経済産業省のサイトをご覧ください。
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)は、個人情報保護法(以下「法」といいます)の改正に向けて、「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大網」を平成26年6月24日に公表しました。
背景として、情報通信技術が急速に発展したことから、個人情報の自由な利活用が許容されるかが不明確な「グレーゾーン」が発生・拡大し、保護すべき個人情報の範囲や事業者が遵守すべきルールがあいまいになってきたことを受けて、IT総合戦略本部において、法改正の検討がなされました。
平成26年7月24日で募集終了となったパブリックコメントに基づき、改正案が取りまとめられ、平成27年通常国会に提出される予定となっています。また政府は、ベネッセコーポレーションの顧客情報漏えい問題を受け、改正案に情報漏えい対策の強化を盛り込む方針も固めており、今後の動向に注目する必要があります。
食品表示等の不正事案の多発を受けて、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)当の一部を改正する等の法律」が平成26年6月6日に成立しました。施行日は、一部の規定を除き、公布の日(平成26年6月13日)から起算して6ヶ月を超えない範囲で政令に定める日となります。
平成26年6月10日現在、消費者庁は、本改正法の規制強化のため、不当表示に係る課徴金制度を導入する方針を決めており、今後の動向に注目する必要があります。
本改正法の詳細につきましては、以下のサイトをご参照ください。
「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(以下「本法律」といいます。)が平成25年12月4日に成立しました。施行日は、公布の日から起算して3年を超えない範囲で政令で定める日となります。
近年多発している消費者被害において、事業者と消費者との情報の質及び量並びに交渉力の格差があることにより、消費者が自ら被害の回復を図ることが困難な状況にあることから、個々の消費者が、簡易・迅速に請求権を主張することができる新たな訴訟制度(以下「本制度」といいます。)が本法律により創設されました。
本制度では、同種の被害が拡散的に多発するという消費者被害の特性に鑑み、消費者被害の集団的な回復を図るため、二段階型の手続となっています。
本制度では、消費者契約に関して事業者に対する一定の金銭の支払請求権が生ずる事案を対象としていますので、クライアント様の事業内容が本制度の対象となり得るのかどうかをご確認いただく必要があります。
詳細につきましては、以下のサイトをご参照いただければと思います。
経済産業省は、営業秘密管理指針を改訂し平成25年8月16日に公表しました。
人材を通じた技術流出の防止措置としての退職者との競業避止義務契約について、今までの裁判例に基づき、有効性が認められる可能性が高いポイントなどが本指針に盛り込まれ、また、それらの詳細について参考資料6にまとめられています。
本指針では、競業避止義務契約の有効性について、実際の裁判例ではどのような判断がなされているかに言及しつつ以下の判断ポイントについて説明をしています。
※【2】~【6】については、【1】を踏まえつつ、競業避止義務契約の内容が目的に照らして合理的な範囲に留まっているかという観点から判断をします。
本指針の改訂に基づき、競業避止義務契約の導入・見直しが必要になると思われます。
ただ、判例自体は個別性が強いため、実際には、各クライアント様に合った契約条項をご検討いただく必要がありますので、この点につき、ご留意いただければと思います。
詳細は下記のサイトをご参照ください。
消費税の引き上げにあたり、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(以下「本法律」といいます。)が、平成25年10月1日に施行されました。また、本法律に関して、各省庁からガイドラインが公表されております。
本法律のポイントは以下の通りとなります。
本法律における特別措置の適用期限は、施行日から平成29年3月31日までとなりますので、その点につきましてご留意いただく必要がございます。
総務省は、「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」において取りまとめられた報告書を平成25年6月12日に公表しました。

ネットワーク上のパーソナルデータ(個人に関する情報)の利活用のルールが明確でないため、企業にとっては、どのような利活用が適正であるかの判断が困難であり、また、消費者にとっては、自己のパーソナルデータが適正に取り扱われ、プライバシー等が適切に保護されているかが不明確になっています。
このことから、総務省は、パーソナルデータを広範囲なものとして捉えて、パーソナルデータの利活用の基本理念及び原則を明確化した上で、具体的なルール(準則)を設定・運用していくことが必要であるとしています。
詳細につきまして、総務省のサイトをご参照いただければと存じます。
法務省における法制審議会の民法部会は、平成25年2月26日に「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」をまとめました。
中間試案における提案内容や論点は、多岐(約300項目)にわたりますので、特にビジネスに重要と思われます項目を以下に挙げさせていただきます。
法務省における法制審議会の民法部会は、平成25年2月26日に「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」をまとめました。
中間試案における提案内容や論点は、多岐(約300項目)にわたりますので、特にビジネスに重要と思われます項目を以下に挙げさせていただきます。
今後の予定として、パブリック・コメントの手続きを経て、改正要綱案が取りまとめられる予定となっています。詳しい内容は下記のサイトをご参照ください。
特許庁は、「商標」に、動き、音などを新たに加える商標法改正案を2013年の国会に提出する方針であるとして、2月に、「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について(案)」と題する報告書案を公表しました。
近年のデジタル技術の急速な進歩や事業のグローバル化に伴い、企業のブランド戦略に活用される「商標」の保護対象を広げることにより、企業の商品やサービスの販売戦略の多様化を促進させるべく、本法改正案が検討されています。
日本の現行制度においては、「文字、図形、記号若しくは立体的形状もくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」したものが商標の保護対象とされていますが、本法改正案では、新たに「動き」「ホログラム」「輪郭のない色彩」「位置」「音」を商標の保護対象とする方針が示されています。
海外において、保護対象とされている「におい、味、触感」については、適切な制度運用が定まった段階で保護対象に追加できるように、検討するものとされ、本法改正案では見送りとなりました。
本法改正案による改正法が成立すると、
が可能となります。他方で、自社の商品やサービスについて、他社の音や色などの商標を侵害しているか否かについて検討する必要が出てきます。
詳細につきまして、以下の特許庁のサイトをご参照いただければと思います。
平成24年9月7日、法制審議会は「会社法制の見直しに関する要綱」をとりまとめ、法務大臣に答申しました。今後、その要綱内容が法務省と内閣法制局により条文化され、国会により会社法の改正が実現すると予想されます。
会社を取り巻く幅広い利害関係者からの一層の信頼を確保する観点から、【1】企業統治の在り方や【2】親子会社に関する規律等を見直しています。
今回の要綱では、上場会社にフォーカスを当てた改正内容となっております。
一方、非公開会社のみに関係する事項としまして、会計限定監査役(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定すること)を定める場合、今までは定款に定めるだけで足りたところ、改正により登記事項となり、すでに監査役に会計監査限定の定めを設けている会社は、登記手続き上の実務の対応が必要となりますので、その点につき、ご留意いただければと存じます。
詳しくは法務省のサイトをご参照ください。
総務省は、スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関する指針として「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」を2012年8月7日に公表しました。
本指針では、スマートフォンをめぐるサービス提供に関係している事業者等に対して、以下のような利用者情報取扱指針が示されています。
本指針では、スマートフォンを含むITサービスにおいて取得する利用者情報の取扱いについて、総務省の考え方が示されているため、IT関連の企業様は、本指針をご確認いただき、プライバシーポリシーの見直しをご検討いただくことが良いと思います。
詳細については、下記の総務省のサイトをご参照ください。
第180回国会に提出された「著作権法の一部を改正する法律案」が2012年6月20日に成立しました。
本法律案は、
を主な内容としています。
施行期日は、平成25年1月1日(技術的保護手段に係る規定等については平成24年10月1日)です。
ここでは、【1】著作権等の制限規定の整備についてご説明いたします。
著作物の利用の円滑化のために、以下の著作物の一定の利用行為につき、著作権等の侵害にならないとする規定を設けています。
今回の改正によって、従前より著作権の権利侵害の疑義が生じていた著作物の利用行為についての適法性が明確化されることになります。
詳しい内容については、下記の文部科学省のサイトをご参照いただければと思います。
「不正競争防止法の一部を改正する法律」が2011年12月1日に施行されました。
主な改正内容として、
があります。
ここでは、【1】についてご説明します。
営業秘密侵害罪について、被害企業が、刑事訴訟手続において営業秘密の内容が公になることを恐れて、告訴を躊躇する事態が生じていることにかんがみ、営業秘密の適切な保護を図るため、刑事訴訟の過程において営業秘密の内容を保護するための手続が設けられました。
営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続の内容として、被害企業等の申出がある場合、裁判所は、営業秘密の内容を秘匿し、別の呼称を用いることができ、また、公判期日外において、傍聴人なしで証人等の尋問及び被告人質問を行うことができるようになりました。
このような不正競争防止法の改正をうけて、営業秘密管理指針が改訂されました。
改訂された指針では、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続に関して、被害企業が自らの営業秘密を守るために、検察官に対してどのような協力を行えばよいかイメージしやすいように、刑事訴訟手続の一連の流れや秘匿の申出書等の記載例などが掲載されています。
ご興味のある企業様は、下記の経済産業省のサイトをご参照いただければと思います。
消費者庁から「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」が、平成23年10月28日に公表されました。
インターネットを活用した取引の大きな成長・発展に伴い、様々なトラブルや消費者被害が増加していることを受けて、消費者庁が平成23年3月11日に公表したインターネット消費者取引研究会報告書「インターネット取引に係る消費者の安全・安心に向けた取組について」では、インターネット消費者取引に係る表示について事業者が守るべき事項を提示しています。
これを踏まえて、消費者庁は、同報告書の「検討事項として想定される表示の例」を中心に、景品表示法上の問題点及び留意事項をとりまとめました。
インターネット消費者取引に新たなサービス類型(フリーミアム、口コミサイト、フラッシュマーケティング、アフィリエイトプログラム、ドロップシッピング)が現れていることから、それらのサービス類型について、定義及び概要がまとめられ、景品表示法上の問題点、問題となる事例及び留意事項が示されています。
ここでとりまとめられているのは、新たなサービス類型の「定義及び概要」に記載されているモデルを前提にしたものですので、具体的な表示が景品表示法上に違反するか否かは個々の事案ごとに判断されることになります。そこで、その点につきご留意いただく必要があります。
詳しくは下記の消費者庁サイトをご参照ください。
「東京都暴力団排除条例」が、平成23年10月1日に施行されました。今回の条例の施行により、全都道府県内で同種の条例が出揃いました。
この条例では、
の4つを基本理念として、
などについて定められています。
ここでは、【1】及び【3】についてご説明します。
契約締結に関する責務として、契約締結時に相手方が暴力団関係者でないことを確認し、契約締結時に、相手方が暴力団関係者と判明した場合、催告なく契約を解除できる旨の特約を定めるよう努めるものとされています。
この条例では、事業者による暴力団の威力利用目的、又は暴力団の活動を助長する目的の利益供与等を禁止しています。事業者が条例違反をした場合、勧告や企業名の公表等の措置が取られます。
さらに、公安委員会は威力利用目的の利益供与をした事業者に対して、その行為の中止等の命令することができ、当該事業者がその命令に違反した場合における罰則規定も設けられています。
今後、企業には暴力団をはじめとする反社会的勢力との一切の関係を排除することが求められます。まずは、企業様には、契約条項の改訂をしていただく必要があります。
東京都暴力団排除条例の詳しい内容に関しまして、下記にあります警視庁サイトにてご確認いただければと思います。
近年、コンピュータ・ウイルスによる攻撃やコンピュータ・ネットワークを悪用した犯罪など、サイバー犯罪は増加を続けています。
このような状況を受けて、コンピュータ・ウイルスを悪用した犯罪等を取り締まる刑法改正案「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が2011年6月17日に参議院本会議で可決・成立し、2011年7月14日に「不正指令電磁的記録作成罪」、いわゆる「ウイルス作成罪」の新設を柱にした改正刑法が施行されました。
ウイルス作成罪は、「正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録を作成、提供、供用、取得、保管する行為を処罰する」ことをいい、罰則は以下のとおりとなっています。
| 作成・提供・供用 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
|---|---|
| 取得・保管 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
また、これに合わせて、通信履歴の電磁的記録の保全要請の規定の整備がなされました。
検察官などは、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、通信事業者等に対し、その業務上記録している通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、30日を超えない期間(特に必要があり、延長する場合には、通じて60日を超えない期間)を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができることとしました。
今回の改正について、捜査権の濫用によるプライバシー侵害を懸念する声も出ていますが、法務省のサイトではウイルス作成罪についての考え方を整理したものが公表されていますので、ご興味のある方は下記のサイトをご参照いただければと存じます。
経済産業省は、「当面の株主総会の運営について」と題するガイドラインを平成23年4月28日に公表しました。
今般の震災等の影響により、予定通り定時株主総会を開催することが困難であったり、たとえ開催した場合においても、株主の出席や事前の議決権行使等が困難になったりするおそれは完全には払拭できていません。
この状況を受けて、経済産業省は、株主総会の運営に係る法解釈および運用につき、参考となる指針が必要であるとして、「当面の株主総会の運営に関するタスクフォース」を開催し、本年6月末までに定時株主総会を開催する企業のためにガイドラインを取りまとめました。
当面の株主総会の運営について、以下の事項を、現状・問題点、考え方、およびガイドラインの項目に分けて説明をしています。
本ガイドラインは、本年6月末までに開催される定時株主総会の運営に役立てるための暫定的なガイドラインですが、経済産業省に寄せられる意見や実際の会社の取り組み状況等を踏まえて、本年7月以降に加筆修正が行われる予定です。
現時点では、被災地の復旧・復興状況、余震の発生状況や節電の影響等を完全に見極めることのできない状況ですので、7月以降に株主総会を開催する企業様は、今後の本ガイドラインの改訂に注目していただければ幸いです。
本ガイドラインの詳細につきまして、ご興味のある方は、ぜひご一読していただければと思います。
経済産業省は、「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」を平成23年4月1日に公表しました。
クラウドサービスにおいて、クラウド利用者は、情報セキュリティ対策が十分であるかどうか分からないという不安を持っていること、また、情報セキュリティ監査及び国際的な規格に準拠したJISQ27002(情報技術―セキュリティ技術―情報セキュリティマネジメントの実践のための規範)ベースのセキュリティ管理をクラウド事業者に対して望んでいることが経済産業省の調査により明らかになっていました。
この調査結果を踏まえて、策定されたのが本ガイドラインになります。
※JISQ27002は、組織が自らのシステムを所有することを想定して作成されているため、その管理策のための手引きをそのままクラウドサービスに対して適用することはできません。
本ガイドラインを
に活用することにより、クラウド利用者とクラウド事業者における信頼関係の強化に役立てること、また、JISQ27002の管理策と管理目的に関して、クラウドサービス利用に着目した情報を提供することを目的としています。
本ガイドラインでは、JISQ27002に規定された管理目的の達成を目標として、組織がクラウドサービスを全面的に利用する究極的な状態を想定し、
について記載されています。
本ガイドラインの活用によって、クラウド利用者及び事業者双方での管理や監査実施の円滑化が望めるほか、利用者と事業者間のコミュニケーションツールとしての活用も期待されています。詳細につきまして、ご興味のある方は、ぜひご一読いただければと思います。
会社の不祥事が相次ぐ中、内部統制やコンプライアンス(法令遵守)の重要性が高まっています。そもそもコンプライアンスとは、大まかに分類すると、
の3つに分けられ、かなり広い概念となります。
今回は、上記【2】社内規範の違反について争われていた判例をご紹介します。
本件は、会社の倫理規定(コンプライアンス規定)などの違反があったという理由で諭旨退職の通告を受け、会社に退職願を提出し、退職した元社員が、この退職につき、諭旨退職事由がないのに会社の人事部長の脅迫により強制されたものであるから取り消す、また錯誤により誤って退職の意思表示したものであるから無効であるなどと主張をして、会社に対し社員としての仮の地位確認と賃金仮払いを求めた事案であり、裁判所は、元社員の申立てを却下しました。
裁判所は、
と判断しています。
今回の判例は、会社の倫理規定(コンプライアンス規定)違反を正面から認めて諭旨退職事由があるとしたものとして重要で、また上記の元社員の行動に関する事実認定において、会社側の調査のあり方が大きな判断材料のひとつとされており、たとえば、調査時の社員へのヒアリングなど、社内規定に基づく社内調査の進め方を検討するにあたり参考になると思われます。
組織の社会的責任に関する国際規格である「ISO26000」が2010年11月1日に発行されました。ISOとは、International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称であり、国際的な標準規格を策定することで、各国市場間の生産品やサービスの円滑な流通促進に向けた環境整備を行っています。
相次ぐ企業の不祥事により投資家だけでなく経済社会全体に影響を及ぼしていることを背景に、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)に関する取組への関心が高まる中で、CSRの国際規格化として発行されたのがISO26000です。
また、ISO26000では、社会的責任は企業だけでなくすべてのステークホルダー(組織の決定や活動に利害関係を有するあらゆる者)を対象としているため、CSRの“C”(Corporate)をはずし、組織の社会的責任(SR:Social Responsibility)と称しています。
ISO26000の特徴として、ISO9000(品質マネジメントシステム)やISO14000(環境マネジメントシステム)と異なり、第三者認証を目的としないガイダンス(手引き)であることがあげられます。
すなわち、あらゆる種類の組織に適用可能な社会的責任の基準を定め、その手引きの提供を目的としているのです。
ISO26000では、社会的責任につき、組織の決定および活動が社会および環境に及ぼす影響に対して、透明かつ倫理的な行動を通じて組織が担う責任であると定義しています。
また、社会的責任として、説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重の7つの中核主題について解説がなされており、また、社会的責任を実現するためにどのように取り組むべきなのかなどについて解説しています。
ISO26000を利用することにより、社会的責任の国際的な基準を理解し、それぞれの組織に合わせた取り組みをしていくことが期待されています。
ISO/SR国内委員会では、中小企業が社会的責任に取り組むときの留意点や中小企業などにおける実践事例などをわかりやすく解説した「やさしい社会的責任」を発表しています。ベンチャー企業の方に参考になるものと思われますのでぜひご一読いただければと思います。
「クラウドコンピューティング」とは、インターネット上に雲のように浮かぶ巨大なコンピュータ群を必要に応じて利用できるコンピュータの形態のことをいいます。
クラウドコンピューティングの低コスト・利便性が注目され、様々な企業がクラウド型の業務システムの開発を進めています。
クラウドコンピューティングに注目が集まる中、人材サービス世界大手のアデコとNTT東日本は、インターネットを使った在宅人材サービスを年内に始めると発表しました。
業務内容は、在宅の主婦や高齢者をネットで結び、自宅でコールセンター業務などができるようにするものです。
クラウドシステムの開発・提供をNTT東日本が担当し、アデコは在宅勤務者の労働状況を遠隔で管理するというもので、3年以内に約1000人の在宅勤務者との契約を目指すというものです。
情報通信高度化やパソコン等情報通信機器の普及に伴い、アデコのケースのように、これらを活用して個人が在宅形態で働く上記のような住宅ワークが増加すると考えられます。
在宅ワークでは、それぞれの事情に合わせて柔軟に働くことができる反面、契約が一方的に
打ち切られたりするなど、契約をめぐるトラブルの発生も少なくない状況です。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省から、在宅ワークに関する契約につき守るべき最低限の
ルールとして、「在宅多¥ワークの適正な実施のためのガイドライン」が発表されており、最近では、平成22年3月にアデコのような発注者が文書明示をすべき契約条件を追加するなどの改正が行われました。
ガイドラインには、在宅ワークの適正な実施のための解説つきの契約書雛形などが記載されていますので、在宅ワークに関する事業をお考えの方はご確認いただければと思います。
「育児・介護休業法」が平成22年6月30日から施行されます。
企業様にとって関係があると思われます改正のポイント【3】について、以下で概略を記載させていただきます。
常時100人以下の労働者を雇用する企業は、【1】及び【4】については、「平成24年6月30日」まで適用が延期されていますが、改正に備え、就業規則等の見直しを検討していただく必要があります。
人事労務担当者のご担当者様は、下記にあります厚生労働省HPにて、ご確認いただければと思います。
平成21年の不正競争防止法の改正(平成22年7月1日施行)を受けて、平成22年4月9日に経済産業省が『営業秘密管理指針(改訂版)』を公表しました。
事業者が営業秘密に関する管理強化のための戦略的なプログラムを策定できるよう、参考となるべき指針として、経済産業省が策定・公表したものであり、不正競争防止法における営業秘密に関する説明や、営業秘密を保護するための管理の在り方について書かれています。
今回の改訂により、不正競争防止法上の営業秘密としての保護を受けることができるようにするための適切な管理方法がより明確になりました。
『営業秘密管理指針(改訂)』の詳細につきましてご興味のある企業様は、下記の経済産業省のサイトをご参照いただければと思います。
インターネットの掲示板に名誉を傷つけられるような書き込みをされた会社とその社長らが、プロバイダ責任制限法(「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」)に基づき、書き込みに利用された接続業者「NTTドコモ」に発信者の契約者情報を開示するように求めた事案について、平成22年4月8日に最高裁判所第一小法廷でNTTドコモ側の上告が棄却され、同社長らのNTTドコモへの開示請求が認められました。
接続業者であるNTTドコモがプロバイダ責任制限法に規定されている開示請求の対象(「特定電気通信役務提供者」:レンタルサーバなどのように“不特定”の者によって受信されることを目的として通信を媒介している業者)に該当するかどうかが争点とされており、最高裁判所は、不特定の者に受信されることを目的とする情報の流通過程の一部を構成する接続業者は開示請求の対象になると判断しました。
プロバイダ責任制限法の規定上、“特定”のコンテンツプロバイダ(例 レンタルサーバなど)のために通信を媒介している接続業者は、開示請求の対象に該当しないとするNTTドコモ側の主張に対して、接続業者のみが発信者の個人情報等を保有していることが少なくないという公知の事実にかんがみ、コンテンツプロバイダだけでなく接続業者にも開示責任を負わせるべきであるというものです。
同種訴訟で地裁・高裁段階では、開示請求が認められるケースが多かったのですが、最高裁の判断は今回が初めてとなり、今後、この判断が開示請求の基準とされると思われます。
「労働基準法の一部を改正する法律」が平成22年4月1日から施行されます。
ここでは、改正点【3】について、以下で概略を記載させていただきます。
現行では、日単位又は半日単位で年次有給休暇を与えることができるとされていますが、改正後は、事業場で労使協定を結べば、1年のうち5日分を限度として時間単位で年次有給休暇を与えることもできるようになります。
労使協定で定める事項
今回の改正に伴い、給与体系等の見直しを検討していただく必要があります。例えば、年次有給休暇の時間単位取得を可能とさせる場合、就業規則の改正や労使協定の締結の準備が必要となります。
各企業様によって改正労働基準法の適用の範囲が異なる場合もございますので、人事労務のご担当者様は、下記にあります厚生労働省HPにて、ご確認いただければと存じます。
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