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第7回以降、法定開示書面に記載されている色々な事項について説明をしてきましたが、今回のテーマであるテリトリー制も法定開示書面の記載事項です。
テリトリー制とは、「フランチャイズ本部が加盟店に対して、営業や販売をする地域を指定する制度」のことをいいます。フランチャイズ本部が加盟店に対して特定の地域で事業を行うことを認めた場合、加盟店は他の地域で営業・販売を行うことはできず、その地域内でのみ営業・販売を行うことになります。
一言でテリトリー制といっても様々な種類があり、大きくは「クローズドテリトリー制」や「オープンテリトリー制」の二つに分かれます。
まず、「クローズドテリトリー制」というのは、フランチャイズ本部が1社の加盟者に対して、独占的に営業・販売をする地域を与える制度です。言いかえると、独占的テリトリー制です。フランチャイズ本部は、その地域の中で直営店や他の加盟店を出店することができなくなり、対象となった1社の加盟者は、その地域内でのみ営業・販売を行うことになりますが、その加盟者のみが同地域内で営業・販売を行うことができるようになります。一般に「テリトリー権が認められている」と言えば、このクローズドテリトリー制(独占的テリトリー制)のことを指します。すなわち、このような地域を与えられた加盟者としては、いわば、フランチャイズ本部から「縄張り」を与えられたような状態になるのです。この「縄張り」の中で営業を行っていくことができる加盟者の権利が「テリトリー権」と言われるものです。
他方、「オープンテリトリー制」というのは、フランチャイズ本部が加盟者に対して、営業・販売地域を限定する一方で、独占的な営業・販売権を与えない制度です。加盟者は、その地域内で営業・販売を行うことになりますが、フランチャイズ本部は、その地域に直営店や他の加盟店を出店できることになるため、フランチャイズ本部の直営店や他の加盟者が同地域に進出してくることがあり得ることになります。
フランチャイズ本部がどのようなテリトリー制を設けているか否かは、法定開示書面やフランチャイズ契約書に記載されることになります。
ただ、日本において、クローズドテリトリー制・独占的テリトリー制を設けているフランチャイズ本部は多くありません。クローズドテリトリー制を設けているフランチャイズ本部の多くは、加盟店ごとの地域設定が重要となるデリバリービジネスを行っている本部(ピザの宅配チェーン)などです。そして、加盟店数の少ない新しいフランチャイズ本部がクローズドテリトリー制を設けていることはほとんどありません。
テリトリー制については、本部と加盟者の間でトラブルとなることが多い事項ですので、テリトリー制をご検討の本部の方は、フランテック法律事務所にご相談いただければと思います。
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