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飛行方法に関する規制 ドローンと法規制(2)

弁護士 金井 高志
弁護士 藤井 直芳

1.飛行方法に関する規制

航空法は、無人航空機の飛行の方法として、以下の6つの条件を規定しています。

  1. 日出から日没までの間において飛行させること(第132条の2第1号)
  2. 無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること(同条第2号)
  3. 無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に距離(30メートル)(航空法施行規則第236条の4)を保って飛行させること(航空法第132条の2第3号)
  4. 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること(同条第4号)
  5. 爆発物など危険物を輸送しないこと(同条第⑤号、航空法施行規則第236条の5、国土交通省告示第1142号)
  6. 無人航空機から物件を投下しないこと(航空法第132条の2条第6号)

今回は、この飛行方法に関する規制につき、問題となる点を詳しく解説したいと思います。

2.目視は自分の目で見なければいけないか?

航空法132条の2第1号は、「目視により常時監視」と定めていますが、これは自分の目で見なければいけないのでしょうか? モニターや、双眼鏡を通じての監視ではいけないのでしょうか?

  1. この規制の意図するところは、安全な航行を行うために、操縦者にドローンの正確な位置や姿勢を把握させ、さらには周囲の状況(樹木等の障害物)の確認をさせることにあります。
  2. こうした規制の意図からすると、モニター越しの目視や双眼鏡による目視は、視野が限定され、瞬時に視野を拡大縮小したりできないため、障害物の察知に時間がかかるおそれがあります。そのような航行は安全とはいえません。そのため、「目視により常時監視」には、モニターや双眼鏡を通した監視は含まれないということになります。​

ドローンの定義は、航空法によってされています。

航空法2条22号によれば、「『無人航空機』(ドローン〔筆者注〕)とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。」とされています。

3.信号待ちは、「多数の者の集合する催し」にあたるのか?

 航空法132条の2第4号は、「多数の者の集合する催しが行われている場所の上空」での航行を禁止していますが、例えば、信号待ちや、混雑による人混みは、「多数の者の集合する催し」にあたるのでしょうか?

  1. この規制の意図するところは、故障等により落下してしまうと人が怪我等を負う可能性がある場所での飛行を禁じて、安全を確保することにあります。
  2. そのため、この規定が想定しているものは、特定の場所や日時に開催されるものということになります(そう考えなければ、ドローンを飛ばしてよいかどうかの判断が極めて難しくなってしまいます)。

 「多数の者の集合」といえるかどうかは、集合する者の人数、規模、密度、主催者の意図といった事情を考慮して判断されます。

 このような視点から考えると、信号待ちや混雑による人混みというものは、主催者がいて、特定の場所や日時に関して開催されるというようなものではありません。そのため、「多数の者の集合する催し」にはあたらないといえるでしょう。

 そして、この点に関して、国土交通省は、以下の表のように考えています。

 

該当する例

 航空法第132条の2第4号に明示されている祭礼、縁日、

展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、

運動会、野外で開催されるコンサート、

町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為)等

該当しない例  自然発生的なもの(例えば、混雑による人混み、信号待ち 等)

出典:国土交通省航空局安全部運行安全課長航空機安全課長「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」(平成27 11 17 日 制定 (国空航第690 号、国空機第930 号)) 

おわりに

 ここまでの説明で、飛行方法に関する規制の概要をご理解いただけたでしょうか。次回は、他人の所有地の上空での飛行について、解説します。

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