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社員のネットトラブルQ&A

特定社会保険労務士 毎熊典子のコラム

社員のネットトラブルQ&A

WEB2.0時代の社員によるネットトラブルQ&A

WEB2.0時代を迎えたIT社会では、ネット環境の変化に伴い、様々なトラブルが発生しています。ここでは、主に社員によるネットを利用したトラブルを取り上げ、会社として個々のトラブルに関して、どのように対応するべきか、Q&Aで解説させていただきたいと思います。

取引先からもらった野球観戦チケットをネットオークションで高額で売る行為は犯罪になるのではないでしょうか。

当社の若手社員が、取引先からもらった野球観戦チケットをネットオークションで高額で売っているということを耳にしました。

このような行為はダフ屋行為にあたり犯罪になるのではないでしょうか。

犯罪にはならないと解されます。

「ダフ屋行為」とは、(1) 転売目的で公共の場所でチケットなどを買う行為や、(2) 転売目的で得たチケットなどを公共の場所で売る行為をいいます。

これらの行為については、各都道府県の条例で取締りがなされています。

たとえば、東京都の場合は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(迷惑防止条例)の第2条(乗車券等の不当な売買行為[ダフヤ行為]の禁止)でこれらの行為を禁止しています。
 

他者からもらったチケットを売る行為は、(1)にも(2)にも該当しないことから、東京都の迷惑防止条例第2条の適用はありません。
 

近時、ネットオークションでチケットを高額で販売する者が摘発されるケースが増えていますが、これらのケースではいずれも、「不特定多数の者に転売目的で購入する行為」について違法とされています。

なお、ネットが「公共の場」に当たるか否かについては、解釈によっては問題となるところですが、今のところ、警察はネットは「公共の場」に当たらないという見解を示しています。

Twitterを使って労働基準法に違反するサービス残業が当社で行われているという書き込みをしている従業員がいます。この従業員を就業規則に則って懲戒処分することは可能でしょうか。

書き込みの内容が真実である場合、または真実であると信じる相当の理由があるなどの場合には、懲戒権の濫用となる可能性があります。

労働基準法第104条1項では、「事業場に、この法律又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。」と規定されています。

また、同条2項は、「使用者は、前項の申告したことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない」としています。従って、会社で違法なサービス残業が行われていることについて労働基準監督署等に申告した従業員について、会社が懲戒処分に処することはできません。
 

また、2006年4月1日から公益通報者保護法が施行されていますが、同法では保護対象となる公益通報の内容や通報者の保護要件が明確に規定されており、通報者の通報の目的や行為態様がこれらの規定の範囲にある場合は、会社が当該通報者について解雇などの不利益な扱いをすることが禁じられています。
 

従業員がTwitterで会社の違法なサービス残業について書き込む行為については、上記のいずれの法律の適用も受けません。従業員は、会社との労働契約に付随する義務として、守秘義務や会社に不当な損害を与えないようにすべき忠実義務を負っていますので、内部の情報を漏えいしたり、会社の名誉や信用を毀損する行為をしてはなりません。また、通常、これらの行為については、懲戒処分の対象となる旨が就業規則で定められています。
 

しかしながら、会社の違法な行為や不正な行為に関して、いわゆる内部告発を行った従業員を就業規則に則って懲戒処分に処することは、場合によっては懲戒権の濫用にあたる可能性があるので注意を要します。
 

大手都市銀行の労働組合員らが、銀行にサービス残業などの労働基準法違反の実態があるなどと記載した出版物を出版したことを理由に戒告処分に処されたことについて無効を訴えた事案について、大阪地判H12.4.17は、「当該記載が真実である場合、真実と信じる相当の理由がある場合、あるいは労働者の使用者に対する批判行為として正当な行為と評価されるものについてまで、これを懲戒の対象とするのは相当でない」として、銀行が行った戒告処分は懲戒権の濫用であたるとして無効としました。
 
会社が従業員をTwitterで書き込みを行ったことを理由として懲戒処分に付する場合には、まず、事実関係について調査することが必要です。具体的には、まず、書き込みの内容を確認し、その書き込みをダウンロード、あるいはプリントアウトするなどして保管することが必要となります。

そのうえで、書き込まれた内容が事実であるか否かについて社内の関係部署において確認をし、書き込みを行った本人に対しても、どのような動機で書き込みを行ったのか、書き込みの内容はどのような根拠に基づくものであるのか、また、どのような方法によって事実確認をしたのかなどについて確認をすることが必要となります。
 

上記のような調査を行った結果、従業員が十分な事実確認をせず、何らの証拠あるいは根拠もなく書き込みを行っていたことが判明した場合には、「会社の名誉または信用を毀損した」などの就業規則上の懲戒事由に基づいて懲戒処分することが可能であると思われます。

ツイッターでつぶやくことをやめさせたいと思うのですが、会社は社員に対して、ツイッターの利用を禁止できるのでしょうか。

当社の若手営業マンが最近ツイッターにはまっているようで、業務時間内外を問わず一日に数十回もつぶやいているようです。

自分の携帯を使って行っているようですが、会社での自分の業務にかかわることを頻繁につぶやき、上司のことや同僚との会話の中身をつぶやいたりしています。

社内ミーティング中にミーティングの内容についてつぶやいていることもありました。取引先との交渉の状況や取引先の担当者に関することをつぶやいたりすることもあり、会社や取引先の秘密にかかわる情報が漏れてしまうのではないかと心配です。

ツイッターでつぶやくことをやめさせたいと思うのですが、会社は社員に対して、ツイッターの利用を禁止できるのでしょうか。

業務時間内にツイッターを利用することを禁止することは可能です。

また、たとえ業務時間外であっても、会社や取引先の内部情報や業務にかかわる事項、会社や取引先の信用等にかかわる事項などについて、ツイッターでつぶやくことを禁止することは可能です。


ここ2、3年でツイッターの利用者数は急速に増えています。このツイッターバブルの状況を会社の営業活動や宣伝・広告に利用しようと試みる企業も最近増えてきているようです。

その一方で、社員やアルバイト従業員等が会社にかかわることをつぶやくことにより、情報漏えいや信用毀損につながるのではないかと懸念している企業の経営者や労務管理担当者の方も少なくないと思います。
 

従業員は会社に対し、会社との労働契約に基づき、職務専念義務や守秘義務を負っていることから、これらの義務に違反すると考えられる従業員の行為について、会社は禁止することができます。

業務時間内においてツイッターでつぶやく行為は職務専念義務に違反しますので、会社は当然に禁止することが可能です。
 

他方、業務時間外にツイッターでつぶやく行為については、従業員のプライベートな行為であると考えられます。しかし、たとえプライベートな行為であったとしても、会社に対して負っている守秘義務に違反する行為を行うことは許されません。

また、会社の名誉や信用を毀損するおそれがある内容のつぶやきをすることは、会社に対する不法行為となり得ます。

したがって、会社は従業員の業務時間外におけるツイッターの利用についても、それが会社に対する守秘義務違反あるいは不法行為に該当するおそれがある行為については、これを禁止することができます。

 
なお、ツイッターの利用を全面的に禁止した事例として、米海軍によるSNS全面禁止令を挙げることができます。

米海軍は、2009年の8月に、米海軍内のネットワーク内からのツイッターやファイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への接続を禁止しました。同軍は、声明の中で、「これらのサイトは一般に悪意に満ちた行為やコンテンツの温床であり、特に情報流出に関連した高いリスクを抱えている」とその理由を述べています。

ただし、同ネットワーク外での関係者のプライベートでの利用は禁止されていません。

個人情報を紛失してしまったことをお客さまに連絡しなければいけませんか?

当社では、営業担当者は業務上の必要性からノートパソコンを携行していますが、営業担当者の一人が100人分のお客様データが入ったノートパソコンを電車の中に置き忘れてしまいました。

すぐに紛失届を出したのですが、今のところ見つかっていません。

個人情報を紛失してしまったことをお客さまに連絡しなければいけませんか?

顧客データが第三者に見られる可能性がある場合は、速やかにお客さまに連絡をすることが必要です。

個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドラインでは、個人情報(誰もが容易に入手できる市販の名簿等を除く)を紛失してしまった場合には、次のような対処を講じることが望ましいとされています。

  1. 事実調査、原因の究明
  2. 影響範囲の特定
  3. 再発防止策の検討・実施
  4. 影響を受ける可能性のある本人への連絡
  5. 主務大臣等への報告
  6. 事実関係、再発防止策等の公表

本人への連絡は、二次被害を防止するために必要とされるものです。

特に、クレジットカード情報などの信用情報や、プライバシーにかかわる機微情報が第三者に見られる可能性がある場合には、速やかに本人に連絡をして、二次被害の発生を防止する対策を講じることが重要となります。

ただし、次の場合のように、本人の権利が侵害される恐れがほとんどないと考えられるには、本人への連絡を行わなくてもよいと考えられます。

  1. 第三者にみられることなく、速やかに回収した場合
  2. 高度な暗号等が施されている場合
  3. 事業者が保有する他の情報と照合しなければ特定の個人を識別することができない場合

また、二次被害発生の可能性がある場合には、二次被害防止対策として、事実関係や再発防止策を自社のホームページ等において公表することも重要となります。

なお、事業者が個人情報取り扱い事業者である場合、経済産業大臣等への報告が必要とされるほか、所属する業界団体等の関係機関に報告することが望ましいとされています。

ソーシャルメディアポリシーの作成

会社の内部事情や取引先の機密情報にかかわる書き込みを行っている社員がいないか心配です。会社として何かできることはありますか?

最近、ブログやツイッターなどのソーシャルメディアを利用する社員が増えています。

私的行為なので、会社が規制することはできないと思うのですが、会社の内部事情や取引先の機密情報にかかわる書き込みを行っている社員がいないか心配です。会社として何かできることはありますか?

ソーシャルメディアポリシーを作成して、社員のソーシャルメディアの利用に関する会社の方針を予め周知しておくことが、リスク管理上、有効であると思われます。

ソーシャルメディアポリシーを作成して、社員のソーシャルメディアの利用に関する会社の方針を予め周知しておくことが、リスク管理上、有効であると思われます。

また、ネット上の書き込みについて定期的・継続的なチェックを行う体制を整え、問題となりうる書き込みを発見した場合には、速やかに削除を求めるようにしましょう。
 

労働者は、労働契約に付随する義務として、使用者に不当な損害を与えないようにすべき忠実義務を負っており、たとえ、勤務時間外や会社外での行為であっても、使用者の名誉や信用を毀損したり、不当に損害を与える行為をしてはなりません。

また、労働者は就業規則や雇用契約に基づく守秘義務を負っています。したがって、業務外の私的行為だからといって、会社としてまったく規制できないという訳ではありません。
 

ソーシャルメディアの利用者は、ここ数年、急増しており、ソーシャルメディアに不慣れな利用者もまだまだ多いかと思われます。

たとえ悪意ではなくても、ソーシャルメディアの利用に不慣れな社員が不用意な書き込みをすれば、会社として不利益を被るだけでなく、社員自身も、懲戒処分を受けたり、損害賠償義務を負ったりすることになりかねません。

そこで、会社として、社員のソーシャルメディア利用に伴うリスクを管理し、自社や社員の利益を守ることが必要となります。
 

リスク管理の方法としては、一つには、ネット上の書き込みについて定期的・継続的にチェックする体制を整え、問題となる書き込みを早期に発見し、内容について分析・評価し適切に対応することが挙げられます。
 

もう一つの方法として、ソーシャルメディアポリシーの作成が挙げられます。

ソーシャルメディアポリシーには、通常、ソーシャルメディアを利用するにあたっての心構えや、発信情報についての自覚と責任、法令や就業規則などの遵守、情報漏えいの禁止、顧客や取引先への配慮、問題発生時の対応方法などに関する事項が規定されます。

ソーシャルメディアポリシーを作成して、その内容を社員に周知し、ソーシャルメディアの利用に関する教育を行うことにより、社員のソーシャルメディア利用に伴う問題発生の危険をかなり低減できるものと思われます。
 

なお、社員が会社の不利益となるような書き込みをしていた場合や、会社または取引先の機密情報にかかわる内容の書き込みを行っていた場合は、まず、当該社員に対して問題となる書き込みを削除するように要請してください。

大概、書き込みをした本人に悪気がないので、簡単に要請に応じてもらえるものと思われます。削除に応じない場合は、プロバイダー責任制限法に基づき、プロバイダーに対して削除請求することが可能です。

従業員がブログで会社を誹謗中傷する書き込みを行っていることが分かりました。どのように対処すべきでしょうか。

何らの根拠もなく会社を誹謗中傷する書き込みを行っている場合には、就業規則に基づき懲戒処分することが可能です。

また、ブログについては、問題となる箇所を指摘してその箇所を削除させることが必要です。


会社は、原則として、従業員の私的行為について、規制したり懲戒処分したりすることはできません。

しかしながら、労働者は、労働契約に付随する義務として、使用者に不当な損害を与えないようにすべき忠実義務を負っており、たとえ、勤務時間外や会社外での行為であっても、使用者の名誉や信用を毀損したり、不当に損害を与える行為をしてはなりません。

従って、就業規則に「会社の名誉、信用を失墜させる行為」を懲戒処分の対象として規定しておけば、当該規定に則って処分することが可能です。
 

ただし、その行為が、公共の利害に関する事実にかかわり、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合には、真実であることの証明があったとき、または、真実であると信ずるについて相当の理由があるときは、懲戒処分が無効とされる場合があります。

そこで、会社としては、事実関係の調査・確認、および本人へのヒアリングを行ったうえで、懲戒処分の可否を検討することが必要となります。

なお、問題となるブログについては、後に紛争となった際に証拠となるものが必要となりますので、必ず、紙面にプリントアウトしておくか、あるいは電磁的に保管しておくことが必要です。

そのうえで、問題となるブログをそのままサイト上に放置しておくことは、会社の名誉や信用を毀損する状態を継続させ、会社のレピュテーションにマイナスの影響を及ぼすこととなることから、問題となる箇所を具体的に指摘し、早期に削除させることが必要です。

東京都千代田区の弁護士事務所「フランテック法律事務所」は、IPOを目指すベンチャー企業さま、新興市場に上場している企業さま、フランチャイズあるいはIT系の中小企業さま、ソーシャルメディアに関心のある企業さまの法律業務を中心にお手伝しております。
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